四足動物は様々な歩行パターンを持っていますが、どの歩行パターンを使うかは移動速度によって決まると言われています。
一番遅い速度ではウォーク(walk)
少し速度が上がると同側の肢が同時に接地するペース(pace)と、対角の肢が同時に接地するタロット(trot)
そして全力疾走になると、おなじみのギャロップ(gallop)に切り替わります。
これまでは四足動物がどのようにして足並みを切り替えるのかが分かっておらず、四脚ロボットで再現する際は、複雑な神経回路モデルが提案されることが多々ありました。
しかし東北大学の研究グループは、至ってシンプルな方法で、四足動物のように足並みを変える四脚ロボットを開発してしまいました。
こちらがその動画となります。
↓
Quadruped robot exhibits spontaneous changes in step with speed
ギャロップがバタバタしてますね笑
ややぎこちないですが、速度上昇に応じた足並みの変化がちゃんと再現できています。
このロボットの仕組みをざっくり説明すると…
①1本の脚はの構造は1自由度(脚を一本の棒にする…ということだと思います)
②リズミカルな脚の上下運動の生成に、位相振動子というシンプルな振動子モデルを採用(多分、脚の付け根でクルクル回ってる丸いやつ)
③「脚に荷重がかかっている間はそのまま身体を支持し続ける」という制御則をそれぞれの脚が実行する。
…だそうです。
1番注目すべきなのは③です。
たいていの四脚ロボットは、あらかじめプログラムして脚間の協調パターンを生成していましたが、このロボットはそれぞれの足が独立して動物のような足並みを生成しています。
協調云々ではなくて、それぞれの脚の機能だけで勝手にそうなるということになります。
そういえば、猿の四足歩行(walk)は他の四足哺乳類と肢の着く順番が異なると、以前書きましたね(前方交叉型と後方交叉型)。そしてその理由は、「猿は重心が後肢側に寄っているから」でした。
重心の位置で歩き方が変わるという事実は、③のメカニズムが動物にも当てはまることを示しているように思えます。