最初のギネス世界記録
四足走行が競技として認知されるようになったのは、2008年に“いとうけんいち”さんがギネス世界記録を樹立したことがきっかけです。
2014年の6月に放送された「きわめびと」では、彼が四足走行を始めるに至った経緯が紹介されていました。
自分の可能性を求めてニューヨークへ渡ったいとうさんは、動物園で見た猿の走り方に憧れ、四足走行の練習を始めました。
毎日欠かさず6時間の練習をこなすこと5年、遂にいとうさんの四足走行はギネス世界記録に認定されたのでした。
挑戦者“河原未来也”
それから毎年1秒ほどのペースで記録を更新していった“いとうけんいち”さんですが、思わぬライバルが出現します。
2012年1月27日。
「探偵ナイトスクープ」という番組で、彼に挑戦状を叩きつけた人物がいました。
その人物の名は――河原未来也。
当時15歳で、物心ついた時から四足で走るのが得意だったそうな。
いとうさんほどの練習量ではないでしょうが、単純な経験年数ならば河原さんの方が長いということになります。
これまででも、いとうさんは世界各地から挑戦を受けることはありましたが、ことごとくはね除けていたと言います。
今回も100m走では僅差で勝利しますが、続く50m走ではなんと……河原さんが勝ってしまったのです。
「第1回 四足走行100m世界大会」
それからおよそ二年後の2013年11月14日。
記念すべき、世界で最初の四足走行世界大会が開催されました。
主催者は“いとうけんいち”さん。
開催に至った経緯は分かりませんが、河原さんの影響を受けたことは間違いないでしょう。この大会には河原さんも参加していました。
最終的に集まった参加者は20人。地上波全局のみならず、世界各地のメディアがこの大会の様子を報道するという盛況ぶりでした。
その大会の様子がこちら ↓
Guinness World Records Day 2013 - Fastest 100m on All Fours
大会前の世界記録は、いとうけんいち選手が2013年8月に到達した17秒23。
そしてこの大会の記録は……
1位 いとうけんいち 16秒87(世界新/ギネス世界記録認定)
2位 河原未来也 17秒05(世界新)
3位 玉腰活未 18秒04
以下略
河原選手が世界記録を上回る走りを見せましたが、いとうけんいち選手が後半で一気に追い上げ、世界王者の座を守り抜きました。
さて、いとうさんと河原さんの勝負も熱かったのですが、第3位の玉腰選手の走りも飛び抜けていましたね。
次回紹介する第2回世界大会では、玉腰選手が主役となります。
私も参加した大会なので、テレビでは報道されなかった舞台裏エピソードもあわせて紹介したいと思います。