はじめに――大きなニュース2つ
年末年始で四足競技界に大きなニュースが2つありました。
一つは、初代ギネス世界王者のいとうけんいち選手の引退です。
世界で初めて四足走行のギネス世界記録を樹立し、その活躍は世界中のメディアで取り上げられました。まさに四足競技のパイオニアです。
しかし最近は怪我が長引いて練習できない日々が続いており、2025年12月23日のX(旧Twitter)で引退表明をしました。
そしてもう一つは、四足走行の大会が今年の秋頃に開催されるかもしれないということです。
↓↓↓昨日公開されたこちらの動画の最後で言及されていました。
www.youtube.com
名付けてRyusei杯!
四足走行の大会が最後に開催されたのが2014年11月13日。いとうけんいち選手が主催した大会です。
今年中の開催が実現すれば、実に12年振りのこととなります。
いとうけんいち選手も引退のツイートで協会の設立について言及しているので、いよいよ本格的に競技化が見えてきました。
私も四足競技を大きくするためにずっと活動を続けてきたので、これほど楽しみなことはありません。
そこで、競技化にあたってこれまでに考えていたことをいくつか挙げて、提言とさせていただきたいと思います。
競技ルール・種目に関する提言
スタートダッシュについて
四足走行のルールはざっくり言うと、「左右の手→左右の足」の順でつかなければなりません。どんな走法であっても「右足→左足→右足」と手の接地を挟まずに同じ足が接地するのはルール違反となります。ニ足で走っていることになってしまいます。
ところが、現状ではスタートダッシュのみこれが黙認されています。
上位ランナーの多くが、最初のニ歩をニ足で走っています。
一見、「右足→左足」のニ歩だけだから問題ないように見えますが、

両足接地状態から手の接地を挟まずに足が接地している
スタート時は両足が接地しているので、ここから足が出てしまうと、手の接地を挟まずにまた足で着地していることになってしまいます。
これは四足走行と言えるのでしょうか?
二足走行のスタート技術が勝敗に大きく影響する今の状態は好ましくないと思います。
ギネス世界記録としてやるだけならこれでもいいのですが、純粋に「四足で走る速さ」を競うのならば、これはなるべく早めに禁止した方がいいと個人的には思います。
記録争いが過熱してからでは、そうそう後戻りできないので。
種目分けについて――50m部門
ギネス世界記録で採用されている種目は100mだけですが、Ryusei杯では早速50m部門を採用して欲しいです。
練習会でも、100mは長過ぎるという声が多く聞かれました。
四足歩行はニ足歩行の四倍のエネルギーを使うと言われているので、単純に考えて四足の100m走はニ足400m走に相当します。慣れていない人にとってはもっともっと大変です。
多くの競技者を集めるためにも、ハードルの低い50m走をいち早く採用すべきだと思います。
今は競技人口が少ないのであまり種目は増やせませんが、将来的には後述のトロット、ギャロップ、歩行などの部門が出て来そうですね。
トロットの扱いについて
2023年にアメリカの選手が、そして去年には米江龍星選手が新記録を打ち立てましたが、この新たに現れた二人の走り方に違和感を覚えた人も多いのではないでしょうか。
というのも、それまでの世界記録はギャロップというみんなが想像する四足動物の走り方で記録されたものでしたが、この二人が採用したのはトロットという、一般の人が見慣れない走法でした。
トロットは歩行と走行の中間的なもので、ギャロップほど速いイメージはないのですが、実はニ足の動きに比較的近いので、かなり人間と相性がいいです。
ただ、ニ足の動きに比較的近いというだけあって、「四足っぽくない。ズルい」という声も聞かれました。
一応は四足の歩法の一つなので、私はズルいとまでは思いませんが、気持ちは分かります。
現王者の米江選手がずっと練習してきたギャロップを捨てて本番ではトロットを採用したように、現状トロットは比較的優位な歩法と考えられます。
だからこそ、危機感を覚えています。
ニ足の動きに近いから速いということは、裏を返せばニ足の動きから脱却できないということでもあります。
トロットがニ足走行より優位な点はなんでしょう?
結局はニ足走行の下位互換ではないでしょうか。
四足動物が人間より速く走れるのは、ギャロップを採用しているからです。
仮にもニ足を上回ることを目指すのならば、トロットがギャロップより優位になってしまっている現状は憂うべきではないでしょうか。
また、人によって走り方に個性があるのが四足走行の大きな魅力の一つです。
それは普段の二足の動きとは違うギャロップだからこそ、個性が出て面白かったのだと思います。
このままでは大会上位者がトロットばかりになってしまいそうで、少し心配です。
人間の身体能力的に仕方のない面もあるかと思いますが、
とりあえずギャロップ部門は早めに作っておきたいですね。
協会の名称について
この競技は一般的に四足走行の名前で知られていますが、先述のように、将来的にはニ足でいう競歩、障害物、ハードル走のような種目も出てくるかと思います。
そうなった際に例えば協会名を「四足走行協会」などとしてしまうと後々不便が出てしまいます。
なのでニ足の「日本陸上競技連盟」にならって、「日本四足競技連盟」などとするのがいいのではないでしょうか。
たくさん考えた中で一番しっくり来た名称です。
自分はこれまでも四足競技という言葉を意識的に使い続けてきました。
その方が走行だの歩行だので混乱しにくいと思ったからです。
さいごに
本格的に協会の設立も見えてきて非常に楽しみですが、不安もたくさんあります。
いとうけんいち選手とは過去にルールの公平性を巡って対立もありました。
quadrupedal-namao.hatenablog.jp
そんな経緯があって、いとうけんいち選手が協会を設立すると聞いてとても複雑な気持ちでいます。
しかし四足競技を広めていきたいというのは自分がずっと目標にしていたことですし、協力できることがあれば協力していきたいと考えています。
練習会やブログ、YouTubeを通じた活動はこれからも変わらず続けていきます。
目指せオリンピック競技!
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