そのうち書こうと思っているうちに、だいぶ時間が経ってしまいました。
もう半年くらい前になりますが、四足走行世界記録保持者のいとう選手が、Twitterでこんな話をしていました。
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なんと、意外なことに黒人よりもアジア系の人の方が四足走行に向いているかもしれないというのです。
身体能力の高い黒人の方が圧倒的に有利のように思えるのですが……
返信のやり取りでは、その理由として「脚の長さ」が挙げられていました。
いとう選手によれば、黒人は脚が長くて前傾姿勢になりすぎるから体重を支えきれず潰れてしまう人が多いとのことでした。
つまり、こういうことですね↓↓↓

脚が長い人は前傾が強くなる
ここで言う脚の長さとは、胴体:脚の比率のことです。
「脚が長い人はだいたい腕も長いから問題ないんじゃ?」と思う方もいるかもしれませんが、図にしてみるとやはり前傾姿勢が強くなってしまうのが分かります(上の図では胴の長さだけを変えています)。
これが例えば一般的な四足動物だと、胴体が地面に対して平行になるので、胴体の体重は前足と後ろ足で均等に掛かるはずですが……
脚が長い人の場合は体重の大部分が腕に掛かってしまいます。
四足走行において、前足の役割は方向の制御とブレーキですから、あまり体重が掛かってしまうとブレーキが強くなってよくないのではないかと思います。
以前、YouTubeで出した四足入門動画では重要なコツとして前傾姿勢を挙げていましたが、速く走る上ではデメリットもあるのかもしれません(人間の体格的に仕方ないですね。ジレンマです)。
他の問題点と解決策
脚が長い人は四足走行に不利なのではないかという意見は、これ以前にも小耳に挟んだことがあり、私も結構脚が長い方なので長いこと悩んでいました。
ただ、私が悩まされていたのはどちらかというと、足を動かす空間が作れないことです。

脚が長い人は足を動かせる空間が狭い
脚が長い人は、前傾姿勢が取れていないと足が地面に突っかかってしまいますし、前傾姿勢が取れていても今度は足を動かす空間が狭く、リーチを活かすことができません。
(また脚長の人は、立位姿勢の時点で既に股関節が大きく屈曲しています。歩幅を出すにはここからさらに屈曲させなければいけないので、要求される柔軟性も胴長の人より厳し目です)
空間が狭いことの解決策として、手と足の位置をずらして手足が干渉しないようにする方法があります。
以下の二つのいずれかは、四足競技者の多くが実践しているのではないでしょうか。
①足を両手の内側を通す走法(閉脚型)
跳び箱の閉脚跳びをイメージすれば分かりやすいかと思います。
私の元々の走法がこれでした。このブログではヒト型とも呼んでいます。
二足走行に近い足の動かし方なので、誰でも実践しやすいです。
ただ、私の体格だとこれは不十分で、まだ地面に足が突っかかっている感覚があります。これ以上前傾姿勢強めるのは厳しそうですし、やりすぎると顔面に足が炸裂しそう……
②足を両手の外側を通す走法(開脚型)
こっちは開脚跳びのようなイメージです。
いとう選手はこちらから始めたようです。
これなら顔面に足が炸裂することもないですし? 足を開いた分、足の長さも軽減されます、なにも気にせず足を大きく動かせます。
しかし二足走行とはまた違った足の動かし方ですし、足が地面に対してまっすぐじゃないので力が横に逃げやすいと感じます。両手両足揃えているかえる跳びのうちはいいですが、左右の着地タイミングをずらすとバランスの悪さが目立ってきます。
ネコ科なんかは足を前に運ぶ時は開いて、着地の時は閉じて――と開閉していますが、人間がやるのは現実的かどうか……自分がやってみたらそんな余裕はなかったです。
※ひょっとしたらですが、この走法を女子がやってみたら意外といけるんじゃないかと時々思うことがあります。男子の骨格は肩幅が広くて骨盤が狭いので開脚型だと無駄な動きが多くなってしまいますが、女子なら自然にできるのではないかと。
結局、2014年に世界記録を出した玉腰選手や現世界記録保持者のいとう選手は、私の観察する限りでは上記二つのハイブリッド型に落ち着いているようです。
私も最近ようやくコツが分かってきて、足が前に出ない問題は解決しつつあります(今のところタイムが劇的に速くなったわけではなさそうですが)。
脚が長くて前傾が強過ぎる問題は未解決です。
とにかく後ろ足でガンガン蹴って、前足は接地時間を短くしてブレーキが掛からないよう意識するしかないですかね。
いつだったか玉腰選手は、前足は置きに行くだけとつぶやいていた気がします。
とにかく自分は練習サボりすぎなので、まずそこからですね。
自分が速く走れるようになれば「脚が長くても四足で速く走れる」ことの証明にもなると思いますから、ちょっと頑張ってみます!
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