ナマオの四足研究所

~日本四足競技連盟代表のブログ~

四足走行の記録はどこまで伸びるか~林修の生徒諸クン!~

ツイッターの方では予告もしましたが、

昨日、テレビ朝日で放送された『林修の生徒諸クン!』で、2019年に開催した四足タイムトライアルの映像が少しだけ登場しました。

番組の内容は、受験生の悩みに答えるといったものでした。

受験と四足――どう結びつくのか全く想像がつかず、ワクワクドキドキしながら待っていましたが、

小論文のお題として四足の話が出てきましたね。

 

「以下の図はヒトの二足走行と四足走行の世界記録の推移を示したものである。ここから読み取れることと、それをもとにあなたが考えることを書きなさい」――といった問題でした。

これは実際に2022年度の早稲田大学スポーツ科学部の入試に出た問題です。

早稲田大学入試問題

www.waseda.jp

 

ちなみにこのグラフの元データは私の通っていた神奈川大学の衣笠教授のもので、私もよく知っています。

二足走行が百年ほどかけて1秒しかタイムを更新していないのに対し、四足走行はわずか十年ほどで3秒近くタイムを縮めている。だからこのペースでいけば、四足走行の方が早くなると――

半分冗談の論説かと思いますが、世界記録保持者のいとうけんいち選手は、この理屈でよくテレビなどで「将来的に四足走行が二足走行より速くなる」と発言しています(彼は多分本気です!)。

 

さて、私は小論文が大の苦手だったので、模範解答は書きませんが……

「四足走行は二足走行を超えられるか」について、自分なりの見解を書かせてもらおうと思います。

結論から言うと、

無理だと思います(まあそうなりますよね……)。

まず現段階で、四足走行の世界記録の推移はあてになりません。

四足走行はまだ競技化されてから日が浅く、そうした競技で記録が短期間で向上するのは当然のことです。対して二足走行の歴史はまさに人類の歴史ですし、競技化された時にはすでに記録が頭打ちになっていたはずです。

四足走行の最初の世界記録は20秒台ですが、はっきり言って、これはそれなりの適性がある人ならば数ヶ月、下手をすれば数日の練習で到達できてしまうタイムです。

記録に挑戦する人が当初はいとう選手くらいしかいなかったので、世界記録と呼べるほどには記録が洗練されていなかったのです。個人の成長記録の域を出ていません。

二足走行の世界記録の推移と並べるにはデータが不十分です。

 

ただ、これは裏を返せば、四足走行の世界記録はまだまだ伸びしろがあるということで、まったく悲観するようなことではありません。そして革命的な器具や走法が開発されれば、二足走行を上回る時代が本当に来るかもしれません。

 

それで、記録がどこまで伸びるかについてですが……

以前、NHKの『きわめびと』という番組で四足走行が取り上げられた時、

世界陸上銅メダリストの為末大選手が、「もし13秒くらいで走れるようになったら、研究してみたくなりますよね」といったコメントをしていました。

13秒――私は全然あり得ると思います。

13秒台は確実に出るでしょう。

非公式記録ではすでに、いとうけんいち選手と、かつての玉腰選手が14秒台を記録しています。

特に玉腰選手は18秒台からたった1年で14秒台まで持ってきたので、もしあのまま練習を続けていたら、今頃13秒台を射程圏に収めていたのではとすら思います。

他のメジャースポーツのように、子供の頃から四足走行を本気で練習する人がいたら、もっともっと速く走れるはずです。

 

去年10月末に私が開催した練習会には、世界記録を狙えそうな人もいました。

参加者のほとんどが子供でしたが、みんな結構速いです。

近いうちに、この練習会の中から世界チャンピオンが現れるかもしれません。

 

↓こちらで練習会の参加者を募集しています。次回は4月末頃を予定しています。

www.net-menber.com